とことこ保育

人生で間違いなく大切な乳幼児期

カナダで日本を考える。

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こちらで幼児教育の授業が始まり、やっと2週間が経った。新型コロナの影響で実習も含めすべてがオンラインになる中、2週目にして教員・生徒ともに少しずつ慣れてきた感じが見て取れる。

 

対面ではないため同じ学科のカレッジ生とのコミュニケーションはもっぱらテキスト。

ldk =I don't know

w8 =wait

E123 =easy as 1,2,3

この二週間で学んだ略語の一部。いやぁー大変だ。

 

どうなることかと思っていた実習は、今のところ生徒同士での意見交換のような場になっている。オンラインで学校の枠を超えることはあるのだろうか。現在、日本の保育科の方々はどのように実習を行っているのでしょうか。

 

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さて。この2週間で保育について幼児教育の授業について感じたことが多々あるが、一番はThe land acknowledgementというものの存在だった。

 

国土の歴史を重んじて、これまでの歴史から学ぼうとする側面が強く、幼児教育の授業の中でも先住民の文化や慣習を尊重する記述は多い。その中のひとつがThe Land acknowledgement。トロント市の宣言のようなもので『先住民によって拓かれたこのカナダ・トロントの土地は誰の所有物でもない、彼らに敬意を払い持続するべき市民共通の財産である』としたもの。

 

幼児教育の授業はこの宣言を通して広げられることが多く、先住民族の歴史から言語と文化の繋がりについてトピックを広げたり、異なる慣習を持つ部族同士が共存している背景から世界から多くの移民を受け入れている現在に繋げ、幼児教育の場で違いを認め尊重し合うことを話し合ったり。先住民の歴史は年長者から次世代へ語り継がれることが多く、そこから信頼関係のもとで育つことの重要性に話が進んだりする。

 

過去に先住民に近代文化を強いた歴史から自分の言語を忘れてしまった祖父と孫のお話。これを見た後に言語が与えるインパクトについて皆で考えた。

www.youtube.com

 

授業の進め方に面白さを感じると同時に、共通したひとつの入り口を通り繰り広げられるこの魅せ方を幼児教育に携わる未来の先生たちが経験することで、行く行くはこの国土で育つ子どもたちの愛国心のような国民性のコアの部分に繋がっているのではないかと感じる次第。

 

2019年に新アイヌ法と呼ばれる、アイヌ民族先住民族と明記した初めての法案が成立したことを、授業からの学びを自国に顧みることで知った。明治政府が蝦夷地と呼ばれていた北海道を開拓し、アイヌ民族の子どもたちは日本語を強いられたり、生活や儀式のための鮭漁を禁止された背景もあったよう。

 

カナダに来て、日本のこと知らないなぁーと思い知らされる場面に直面している。