子どもがブランコから落ちる瞬間を見て、演出家としての保育者を考えた話。
先日、シッティング先の子どもたちと公園のブランコで遊んでいる時、 お父さんに後ろから押してもらっていた男の子がブランコから落ちる瞬間を見て しまった。
男の子はしきりに「もっと!もっと押して!」 とリクエストしていて、お父さんもその期待に応えようとブランコを 押していたのだと思う。幸い、擦り傷程度で大きな怪我はなく、絆創膏を渡し、頭部など後から影響が出てくる場合もあるので様子を見ましょうと会話をして別れた。
この親子と別れて、シッティングを終えた後も「私だったら....」と考えた。
子どもの要望に対して何か行動を起こす時、保育者は演出家であると思う。
応える大前提として安全性があることを忘れてはい けないし、でも子どもの希望にも応えたい。
だから、私は子どもにお願いされた時、一定の力加減でブランコを押していない。一度「もっと!」 とリクエストを受けて、一度振りを大きくしたら、子どもたちが気づかない程度に、徐々に弱めて次に「もっと!」が来た時、 ピークとなる振れ幅は変わらないようにしている。 ここまでなら安全だと、安全確保を任された私自身が意識できる範囲で調整をする。
時には、力加減は変えずにオノマトペで効果音を付けたり、 速い乗り物や風を切るような動物の動きに例えて伝えている。
子どもがやりたい・保育者にやって欲しい事
と
保育者として確保すべき安全性
子どもと関わる中で毎日このせめぎ合いがある。子どもの要望を「〇〇はできない」「〇〇は難しい」と否定形で返す以外に、 演出するという返し方も大切にしたい。
そして安全が確保された上での、楽しいであり、やってもらって嬉しいなのだなと私も学んだ出来事でした。