とことこ保育

人生で間違いなく大切な乳幼児期

再び保育業界のICT化の話

 


私は保育士としてしか社会で働いたことがないが、
企業で事務をしている友人に話しをすると驚かれることが多い。

 

毎日、手書きで記入される排せつ、食事量、午睡時間等が書かれた連絡帳。手書きもしくは打ち込みのコピーが張り付けられた児童表。年間を通して行われる様々な行事の装飾。日中の活動を保護者へお伝えする紙媒体のお知らせ・配布物。未だに存在する各家庭の電話番号が載った連絡網。毎月発行する園だより。

 

実際、様々な紙媒体の資料が園の事務所内に溢れていて山積みだ。卒園した児童に関する保育要録についても就学後、一定期間保管の義務があり、毎年度卒園生を送り出すことを考えるとこの資料が園の書類倉庫を占める割合も大きいことが必至だ。

 

一部の園が行っているLINE等の媒体を使った保護者への連絡、園だより・お知らせのオンライン化が実感として広がっていないのはなぜか。

 

先日参加した保育業界のICT化に関するセミナーでは、電子媒体を使う人材の育成、導入費用、セキュリティ対策がキーになるのではないかという意見も出た。

 

昨年度より厚生労働省で定められた「保育士等キャリアアップ研修」の内容も
乳幼児保育、障害児保育、食育、アレルギー等に留めず、デジタル媒体を活用するための研修を入れてもよいのではないかと個人的に思っている。今後ICT化の流れはより大きくなってくると思うし、これからの人材育成が一つのカギとなるだろう。ICT化に関する補助金支給も厚生労働省、一部の都道府県で行われている。

 

個人情報をオンラインやりとりするのに抵抗があるという意見も聞くが、印刷して配られる連絡網が紛失などで第三者へ渡ってしまうリスクと専門家に頼みオンラインでの管理運営をお願いした場合、本当にリスクが大きいのはどちらなのか。

 

 

私は海洋学というまったく違う分野を大学4年間学び、卒論やフィールドワークでのデータ解析である程度パソコンの使い方を知った上で保育業界に入ったので使いこなせている方だという自負はある。それでももっとこういう使い方ができたらと思うことは多い。


園でタブレットを購入したが園長の机に仕舞われたままというなんとももったいない話も耳にした。もちろん手書きで対応しなければならない場合があることを踏まえた上でICT化を適所に導入して保育士の働きと待遇面のギャップを埋めていく必要性があるなぁと感じています。