とことこ保育

人生で間違いなく大切な乳幼児期

子どもと虫と草花と。

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連日続いた大雨からの晴天!嬉しい!けれど突然な暑さに身体がつけていけてないことが否めない。

 

先日の保育振り返りに登場したMちゃん。今日は食器洗いをしていた先生の隣に立って食器拭きのお手伝いをしていました。振り返りをすることで子どもたちの姿を目にした時に思うことや過ごし方も変わってくるなぁ...と実感してる。自分のための振り返り。

 

 

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この日は園庭遊びの時間に3歳児 2人と虫探し。

里山を切り開いて作られた園なので周りは緑がたくさん。コンクリート塀や敷地内の木々によく昆虫がとまっている。

 

 

園庭遊びをしていると、

『ねぇ、だんごむし探そうよー』

『けむしが出るからきょうはダメだって先生が言ってたよ』

と、年少の男の子AくんBくん 2人が言い合いを始めた。

最近、ダンゴムシがよく見つかる園庭の一画で毛虫が多数目撃され、実際職員に発疹が見られたことから、その日は朝の会で子どもたちに伝え、なるべく近づかないように話をしていた。

 

朝話したこときちんと覚えていたんだなぁーと感心しながら二人の様子を見ていると、AくんBくんの間をすり抜けて年長のCくんが、なるべく近づかないように伝えられている毛虫エリアにどんどん向かっていく。

 

思わず、

「ねぇCくん、そこは近づかないように言われなかったっけ?」と話しかけると

「えっ?先生しらないの?ほんとはさ、ダンゴムシは毛虫を食べるから大丈夫なんだよ」と持論を展開し始めた(笑)それを聞いていたAくんとBくんの反応は・・・

そうだったのか!新しいことを知った!と言わんばかりに満面の笑顔(笑)

で、近づかないように話をしたエリアに堂々と近づいていく。

 

 (えぇ.....何その根拠のない理由は。AくんとBくんまで行っちゃったよ)

と、内心思いながらもいろいろ考えた。

 

第一に子どもたちに虫と戯れて遊んで欲しい。雨上がりの今日はジメジメした気候が好きなダンゴムシを探すにはもってこいだし、実際私自身はそのエリアで毛虫を見たことがなく、そんなに毛虫に遭遇する確率も高くなさそう?

 

一方で、発疹ができてせっかく始まったプール遊びに参加できないとかいう状況になってもかわいそうだしなぁ。3人の様子を見てこのエリアにくる子どもが増えることも大いに考えられる。大人同士の事情も考えると、そうなった様子を見て「あれ?朝の約束は.....?あれ?先生?」という事態にもなりかねない。と、いろいろ考え、

 

「今日はダンゴムシが住んでる新しい場所を見つけてみない?」と提案してみた。

 

年少のAくんBくんはすぐに「いいよー」と言ってくれたものの、年長のCくんは煮え切らない様子。

 

この選択をポジティブに伝えたいなぁと思い「今日、新しいダンゴムシの住み家を見つけておけば、また毛虫が出て近づけない時でもダンゴムシ探しができるし、Cくんが一番に見つけたら幼稚園の皆に教えてあげられるじゃん。」

 

 すると、少し間を置いた後で

「.....しょうがねぇなぁ」と一言。いいよってことかな。

 

結局、園庭を半周程して他にもダンゴムシがいるエリアを見つけることができた。いや、年長のCくんを筆頭に子どもたちは以前から知っているようだった。その日近づかないように言われたエリア程たくさんのダンゴムシを見つけることはできなかったけど、2~3匹ずつ捕まえて大事そうに砂場のおもちゃを虫かごにして眺めていた3人。

 

今度はいっぱい見つけられる場所でダンゴムシ捕まえられるといいねーと話しながら園庭遊びが終わりになり、最後は3人それぞれ、見つけたダンゴムシを園庭の隅に掘った穴の中に埋めていた。

 

 

ちょうど先日、草木と虫と子どもの関わりについて保育者同士で話をしたところだった。花壇のお花は取っちゃダメ・でも園庭の隅に咲いている花や雑草はOK?害虫は殺すのに昆虫はダメ?そもそも害虫って?

 

命とか生き物の扱いとか確かに大切なことではあるけど、それは言葉で伝えきれるものではないよなぁーとも考えていて、それこそ言葉だけで伝わったら非現実世界で起きていることと混同してしまわないか心配になる。

 

この日は取れた数も少なく数匹集めて、土の中に埋めて(隠して)おしまいだったが、たくさん取れる時は容器から溢れんばかりの虫を集めて、それらを『プール!』と言って水の中へ投げ入れる。虫たちが次第に沈んでいく、スコップでぺちぺち叩かれるみたいな光景があるので見ていると少し残酷に見えるけど。

 

やっぱり実体験かな。子どもこそ地球資源を大いに利用して良い存在なのかなと感じる一件でした。