とことこ保育

人生で間違いなく大切な乳幼児期

OECDの『図表で見る教育 2018』を読み解いてみた!

 

OECD(Organisation for Economic Co-operation and Development):経済協力開発機構

世界各国と協力して様々な分野のデータを収集・分析してまとめてるところ。今日は先日発行された『図表で見る教育 2018(Education at a Glance 2018)』をパパッとまとめてみました!

 

まず、前置きとして....

※英文の誤訳は大いにあり得ます!

声を大にして言うことではないのですが、ネイティブではありません。「~らしい」くらいの気持ちで見てください。そして間違えや誤訳があれば指摘ください。とっても喜びます。

 

 

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ひとつ目は『母親の学歴と3歳以下の子どもの就学率について』のグラフ。

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〇:母親の学歴が大卒以上 ▲:母親の学歴が高卒以下 ◆:全体

 

【要約】

・全体的に高卒以上の学歴を持つ子どもの就学率が高い

・オランダ、ベルギー、ポルトガルアイルランド、イギリス、オーストラリア、ポーランドは子どもの就学率に対する母親の学歴の影響を比較的大きく受けている

スロバキアフィンランドエストニアイスラエル等は子どもの就学率に対する母親の学歴の影響は少ない

デンマークのみ母親の学歴が高卒以下の子どもの就学率が高い

 

教育の機会は平等であるべきと長らく謳われてきているけど、実際は個人の置かれている経済的・社会的な状況に大きく影響っを受けているんだなぁと実感。要約で差が大きいとした国々では約20%就学率に違いがあるらしい。それにしても、気になるのは一国だけ高卒学歴以下の母親の子どもの就学率が高いデンマーク。この背景にあるのはなんだろう....。

様々な背景を持つ子どもたちという点で『移民による他国にルーツを持つ子どもの受け入れについて』もコラムが組まれていた。移民の増加に伴い、新しい言語や文化、コミュニティーやネットワークの構築を行う機会を移民の子どもやその家族にどう提供していくかがひとつ大きな課題になると。この問題に対してプログラムの整備等の遅れが指摘される中、デンマークフィンランドノルウェー、スェーデンはその取り組みを評価されていた。北欧勢。移民問題は日本にいると遠い問題のようだけど、安倍首相も外国人労働者の倍増を提言しているし、「永住権を持っていないから外国人労働者は移民ではない」というどこかの官僚さんの発言を後目に在日外国人の数は年々増えている。幼児教育の分野でも、こういう問題を扱う時期がそう遠くないのではないかと思う。

 

 

 

2つ目は『保育時間と子どもに対する保育者数について』のグラフ。

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〇:保育者一人に対し 子ども10名以下  ̻▢:保育者一人に対し 子ども11~14名  △:保育者一人に対して 子ども14名以上

 

傾向として下側(各週の保育時間が平均以下)の国々は保育者一人に対して14名以上の配置がされており、上側(各週の保育時間が平均以上)のところでは保育者一人に対して14名以下の子どもを保育できることになっている。これをよーく見ると日本のプロットの位置にギモンを持つ人がいると思う。週20時間だと一日約4時間しか園にいないことになる。あれ?って。実はこれ日本の幼稚園の値のみを反映させたもので保育園が入っていないのだ。もしこれに保育園児の数を足すとしたら一日平均8時間、週40時間保育園を過ごすことになり、保育者の配置人数は△にも関わらず、左上の枠に入る。保育時間が長い国は保育者に対する子どもの割合を減らし、長時間だからこそ一人ひとりをじっくり観察していこうという姿勢が予想できるが、長時間なのに保育者の配置は他国より高めである日本の状況は世界の流れと逆行しているのではないかと思う。実際、2005~2016年にかけてのOECDの調査で加盟国のうち2/3の国で保育者一人に対しての子どもの数が減り、その数は20か国に上るそう。世界はすでにより個人へ重きを置いた保育に変わっている。

 

 

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これは楽しい!が、小出しでやっていきます。予想以上に時間とパワーを使いました(笑)日本ベースのデータなら日本語でも閲覧できるのでぜひ!